「荒海のジョー 続編Ⅱ」
〝日本に引き揚げたあと〟の様子を描いた小説。この作品には、
実在した元キックボクシングの世界チャンピオン「富山勝治」と、
現役の悪役俳優「浅田育輝」を起用して描いた作品。
この世代を超えた登場人物を「浅田源次郎」という架空の人物を絡ませて繋いだ、
〝家族愛」をテーマに描いた作品
(表紙デザイン監修)
《国民共有の文化的資産として永久保存》
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「荒海のジョー 続編Ⅱ」
困難や試練に立ち向かう道を選ぶのか?それとも退く道を選ぶのか!の判断は容易くはない。しかし、挑戦した者にしか、その先の光景を見ることは出来ない。
〜小説から抜粋〜
その頃、浅田源次郎もまた、敢えて立ち向かわなければならない命がけの試練があった。
それは外国船が遥か洋上で難破したという、無線情報を傍受した事がきっかけだった。
一人息子の源次郎が、この先もっと荒れるであろう洋上に出ることを、家族の誰しもが無言ながらも反対する空気がある中、数人の若者達が名乗りを上げ、無謀な挑戦をかって出た。
その中に紅一点、幼馴染の女史の姿があった。「磯部とみ」と言った。
この港で帆船を自由に操れる者はそう多くはなかった。
他の船は荷下ろしの途中ということもあったが、源次郎は、スクリュー船では救助者を巻き込む恐れがあると判断した。
それはまた、源次郎の腕の見せ所でもあった。
その日は一月はじめの満月だった。救助は寒さと風で困難を極めた。
しかし皆懸命に動き、外国船の乗組員達を命がけで救助した。
キックボクシングウェルター級世界チャンピョン富山勝治、講演会時の入場テーマソング
P47
リングの中での九州人同士の闘いは、リングサイドの観客を巻き込んだ。
そしてこの応援合戦は両県を白熱させた。
正に会場が一体となって歓喜を分かち合う闘いとなった。
二人は今まさにリングドラマの主人公そのものだった。
P54
そして試合は多くのファンや関係者の心配を見事に跳ね返した。
富山選手の圧倒的な強さに相手側のセコンドから「タオル」が投げ込まれた。
P55
かくのごとく多くのファンに親しまれ、惜しまれつつ、
チャンピオンのままこの日、「栄光の10カウント」のセレモニーを迎えることになった。
P56
「俺の唄も今日が千秋楽じゃい!みんなよう聴いといておくんなはれや!」
そう言って唄ったのは「男の一生」だった。